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2015年1月 4日 (日)

2014年を振り返る

2013年は,人生の節目でした。

20年かけてまとめた(寝かせた?)博士論文が受理され,博士号授与。
10年ほど実践・研究を進めてきた聴覚障害学生支援については,PEPNet-Japanシンポジウムを群大で開催,そして実践事例コンテストでは群大学生がPEPNet-Japan賞(優勝)受賞。
今まで自分がやってきたことが,形になった一年でした。
そんなことで,2014年はもう少し落ち着いた一年かなと思っていました。
しかしありがたいことに,充実した一年になりました。
そして,それなりに新たな一歩を踏み出せた気がします。
著書(分担執筆)や論文の執筆も,例年並みかそれ以上にできました。
つくばで開催されたPEPNet-Japanシンポジウムは,記念すべき10周年記念イベント。パーティーの余興のクイズでは,栄えある(?)PEPNet-Japanマニアの認定をいただきました。(笑) そして実践事例コンテストでは,群大学生は優勝こそ逃したものの,準PEPNet-Japan賞(準優勝)を受賞。
そしてなにより私自身にとって大きな転機となったのは,群馬県での手話言語条例制定に向けての動きに関わることができたことです。
群馬県には,本気で真面目に取り組んでおられる議員の方々がおられるということを肌で知りました。
障害者福祉のこと,手話のことを自分の問題として受け止めて動いて下さる議員の方々と語り合える機会が持てたことは,自分にとって大きな意味があったと思います。
政治のシステムを,かつてないくらい細かく学びました。そして,「政治的な決着」ということの意味を学びました。
「理想と現実」というと,崇高な理想があり,それがグレードダウンしたところに現実があるかのように思えます。
しかしそれは正しくない。
ある人にとっての「理想」は,別の人にとっては迷惑だったりもするわけです。
さまざまな人の理想を調整しながら,皆が100%の「満足」ではなく,「納得」できる場所を探さなきゃならない。
それが,実際に計画していく「現実」なのだと思うのです。
手話言語条例の制定過程に携わる中で,政治というものを肌で感じることができたこと。これが2014年の最大の収穫だったと思います。
さて,2015年はどんな1年になるでしょうか。
まずは,無事に今年度内に群馬県手話言語条例が制定されることを祈りつつ,その先に高崎,前橋等に広がっていくことを願いつつ。
そして,自分にできることを一歩一歩形にしていきたいと思います。
今年も一年,皆様,どうぞよろしくお願いいたします。
 
追記:新年早々,手話言語条例に関する論考が,日本手話学会の学会誌『手話学研究』に掲載されました(金澤貴之「手話関連条例が果たす役割に関する考察-上程プロセスへの当事者関与のあり方-」手話学研究,第23巻,31-42頁)。幸先の良いスタートを切ることができました。

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