ずっと好きだった…
20年ぶりのこの街。
こんな機会でもなければ,二度と来ることもなかったかも。
高一年の冬に離れてから,この街は,16才で止まったまま。
「山田!ひっさしぶりじゃん!」「おー!お前こそ!」
変わってないような,でも,みんなすっかりオヤジだね。…って,自分もか。
「あれ?太郎君?元気ー?!」
後ろからの声。ドキッとしたよ。あの頃もそんな感じで,元気いっぱいだったよね。
同じ名字で,2人ともありきたりの名前で,よくみんなには夫婦だってからかわれたっけ。
そういう俺も照れくさくって,君にイタズラしたり。
…気がついたら,ずいぶん調子に乗って飲み過ぎたかな。
君の顔もずいぶん赤いよね。
「…でもさ,嬉しかったよ。」
「なにが?こうしてみんなで会えたこと?」
「それもだけど。…君が全く変わっていなかったこと。」
「太郎君だって変わってないよね。」
「いや,そういうことじゃなくて。花子が相変わらず綺麗だってこと。」
「またまたまた。上手くなっちゃって!」
「てか,お前,気づいてた? 俺,ずっと好きだったんだぜ,お前のこと」
「え…? まーたまた。なーにいってんの!」
「いやいや。ホント好きだったんだぜ。…信じてないだろ?」
「信じた信じた。」(笑)
調子よくてカラッとしたところも,変わってないよな。
「…でもさ,太郎君は,変わったよね。」
「そうか?」
「だって,あの頃,そんな風に口は上手くなかったじゃない?いつもブスッとしててさ。私がそばにいて聴いてても,ギターのことにしか興味ないみたいな感じで。」
「…そうだったっけ(苦笑)。あのさ,1つ聞いてもいいか?」
「なに?」
「うーん,やっぱいいや。」
「なによー。もったいぶって。」
…今更いいか。あの時の,ホッペにチュ!の意味なんて。覚えてるかな…いや,忘れてるよな。20年も前のことだし。
確かに口べただったよな,あの頃。ついに言い出せなかったっけ。
君はあの頃のまま,今も変わらず綺麗で。
そしてあの頃夢ばかり見ていた俺は,ちょっと大人の世界の駆け引きも知って。
昔はこんなことも,言えなかったな。
「今夜みんな帰ったら,もう一杯どう?2人だけで。」
-----------Fin-----------
こいつはいきなり何書いてるんだ?…って思われましたでしょうか?(苦笑)
おわかりの方はピンと来たでしょうか。
今はやりの,斉藤和義「ずっと好きだった」の歌詞をちょっと味付けしてみました。
こんなシーンなのかな?って感じで。
資生堂「IN&ON」のCMソングが,絶妙の組み合わせで,はまってしまいました。
起用した顔ぶれが見事です。
1980年代アイドル4人。
特に河合その子と薬丸(石川)秀美は,CM限定での復帰だそうで。
個人的には,河合その子に,ビックリでした。どうしてたんだろ?って感じだったので。
CM自体が,20数年ぶりの同窓会で4人が再会する内容とのこと。
斉藤和義の歌とCMが見事にシンクロしているわけです。
皆,まさに自分が中学生の頃のアイドルだったので,まんまと資生堂の術中にはまってしまった感じです。
実は何を隠そう,河合その子の隠れファンでした。(汗)
そして今もあの頃の雰囲気のままだったことに,ちょっと嬉しかったり。
まさに自分自身が,斉藤和義の歌の世界の主人公に同化しちゃっているわけです。
以前読んだ,『恋愛論』 (柴門ふみ著,PHP文庫)を思い出しました。
「『じつは、好きだったんだ』という告白は最もドラマになりやすい。」とのこと。
「ずっと好きだったんだぜ」という言葉がまさにそうです。
「またまた,冗談言ってー!」みたいに流されてしまって交わされたら,こちらも冗談ですませればいい。
「冗談言ってー!」の言葉の後に,「でも,私も…」と続けば,そのまま「あの頃」に戻ればいい。
「好きだ」でも,「好きだぜ」でも,「好きだった」でもなく,「好きだったんだぜ」という言葉に,男の照れもにじみ出ています。
さすが,斉藤和義!
一方で,20年ぶりの同窓会に臨む女性の思いも複雑なことでしょう。
当時モテモテだった女性であれば,なおさらです。
こんなにオバチャンになっちゃった自分を,みんなはどう思うだろうか…?みたいな。
だからこそ,「IN&ON」の登場ってわけですね。(笑)
で,「よみがえれ,私!」のキャッチコピー。
そして,「相変わらず綺麗だな」「キミは今も綺麗だ」というオトコの魔法の言葉で,「やっぱり来て良かった!」(「IN&ON」バンザイ!?)と思えることでしょう。
化粧品の値段の「高さ」は,モノを売っているのではなく,感動体験を売っているということ。
そんなことを再認識させてくれるCMです。
ところで最近,「昔を振り返る」系の歌に惹かれている自分がいます。
この,「ずっと好きだった」もしかり。
「この町を歩けば蘇る16才」
浜田省吾の「19のままさ」
「いつまでも忘れない 今でも目をこうして閉じれば19のままさ」
エレファント・カシマシの「俺たちの明日」
「そういやあの頃は「俺たちの時代を築こう」なんて話を何時間でも語り合って飽きなかったな
そしてそんな時間こそ本当は俺たちのああ人生そのものだったな」
実はそんな自分は,今年,大学入学から数えて20年目なのです!
大学で新一年生を見ながら,時々昔を思い出したり。
このブログを見てくれた,「C90-24○○」のみなさん。
同窓会でもしませんか?
« 群大聴覚障害学生支援リニューアル! | トップページ | 鉄は熱いうちに打て! メシは熱いうちに食え! 学生よ,熱いうちに動け! »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- アクセシビリティが届いている人の無自覚さ(2023.06.10)
- ドラマsilentから…「聾者の役は聾者がやるべき」か?(2022.11.15)
- 「ろうを生きる 難聴を生きる」出演!(2016.08.01)
- 引用文献は「読みたい論文」を!(2015.01.05)
- 2014年を振り返る(2015.01.04)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« 群大聴覚障害学生支援リニューアル! | トップページ | 鉄は熱いうちに打て! メシは熱いうちに食え! 学生よ,熱いうちに動け! »
しましょうしましょう!
2420Kより
投稿: こまつばら | 2010年5月 9日 (日) 18時02分
早速の反応,ありがとう!
このブログの書き込みはあくまで「きっかけ」なので,散り散りになっているみんなだけど,「友だちの友だちは友だち」方式で,メールなどで声かけの輪を広げてもらえるとありがたいです。
毎日のように顔を合わせている同僚=同級生1名とは,「みんなは無理でも,声かけられた範囲だけでも集まれたらいいね」と話しています。(^_^;)
投稿: KANAZAWA | 2010年5月 9日 (日) 21時25分